環境学者たちの最近の海洋調査によると、「太平洋ゴミベルト」が以前より伸びているようだ。
「太平洋ゴミベルト」
「太平洋ゴミベルト」とは、北太平洋の中央を漂う海域だ。浮遊しているプラスチックなどの破片が異常に集中していることが以前から知られている。
アルガリタ海洋研究所とファイブ・ジャイルズ・インスティチュートの2団体が、帆走ヨット「シードラゴン号」に乗って調査を行った。調査海域は、5つの熱帯環流の1つの部分にあたり、海流の合流地点にあるため、プラスチックゴミが集中している。
調査団がそこで見たものは、無数の小さなプラスチックの粒子だった。網を下ろせば、すぐに10や20、いや30個の粒子が捉えられる。研究者によると、この40年で、プラスチックゴミは100倍増えたという。以前は小さいかけらだったものが、今ではもっと細かくなってスープ状になっている場合もあるようだ。
このプラスチックゴミが海洋生物の生態系に及ぼす影響は計り知れない。ゴミをすべて取り除こうとすれば、すべての海洋生物まで捕獲しなければならないほど、各海域に散らばっている。そうなると、その状態に適応しようとして、生態系が変化する可能性があるという。プラスチック環境に勝てるのは、多様性の少ない雑草のようなものだそうだ。
この海域に到着するまでに、昨年の東日本大震災の際、津波で流れ出たがれきなども見られたという。プラスチックに加えて、その際流出した毒性物質も気になる。
世界の海のプラスチック化を止めるには、各メーカーが最終使用まで計画を立てて製品を生産する必要があるのだ。そうでなければ、知らず知らずのうちに、私たちは、プラスチックの海に囲まれることになるだろう。
太平洋ゴミベルト