株式会社野村総合研究所は、「PFI法改正及びコンセッション方式に関するアンケート調査」を実施し、その結果を公表している。
調査は、郵送法によるアンケート方式で行われ、期間は、2011年4月27日から5月30日にかけて、対象は、全国の地方銀行および第二地方銀行103行、有効回答数は、37行(35.9%)であった。
調査結果によると、「コンセッション方式によるPFI事業参画への関心」の問いには、「非常に関心がある」、「ある程度関心がある」を合わせた回答が、97.3%にのぼる結果となった。
また、「コンセッション方式の活用について、関心のある社会資本分野(複数回答可)」の問いには、「下水道(81.1%)」、「上水道(78.4%)」との回答が他を引き離し、「鉄道(地下鉄等含む)(43.2%)」、「港湾(37.8%)」、「工業用水道(27.0%)」、「有料道路(24.3%)」、「空港(21.6%)」、「美術館・博物館(21.6%)」と続いている。
さらに、「コンセッション方式の検討にあたっての課題(複数回答可)」の問いには、「自治体側のコンセッション活用意向が不透明(56.8%)」、「コンセッション方式のスキーム等に関する理解不足(56.8%)」、「行内での対象インフラ事業の業態・特性に関する理解不足(45.9%)」、「行内での取組体制の未整備(40.5%)」などがあげられている。
ちなみに、PFI(Private Finance Initiative)とは、民間資金を活用した社会資本整備のこと。また、コンセッション方式とは、民間事業者に施設の所有権を移転せずに、インフラの事業運営に関する権利(公共施設などの運営権)のみ付与する、PFI事業の方式を表す。
PFI事業における概念の一つに、VFM(Vlue For Money)がある。支払い(Money)に対して最も価値の高いサービス(Value)を供給するという考え方のことといわれているが、具体的には「コスト削減」の意味合いが強いようだ。内閣府は、新たな市場としての投資価値を楽観的に見込んでんでいるようだが、どこまでオープンな環境が形成されるか、社会資本整備に潜む無駄に寛容な日本人も、その先行きは注視しなければならないだろう。
株式会社野村総合研究所リリース