ジェイアイ傷害火災保険株式会社は、2010年度の海外旅行保険契約者の事故発生状況について、2011年6月22日からホームページで公表している。
同データは、海外旅行での事故の動向を開示することにより、必要な海外旅行保険の認知を高めることを目的としている。
調査結果によると、「事故発生率」は、3.33%(30人に1人)と、1996年に調査を開始して以来、過去最高値となり、5年連続で過去最高値を更新する結果となった。
また、補償項目別で一番多いものは、ケガや病気の治療費用や医療搬送費用などを補償する「治療・救援費用(41.0%)」となり、以下「携行品損害(35.2%)」、「旅行事故緊急費用(18.3%)」と続いている。
さらに、「治療・救援費用」の支払いが300万円を超えた事例は、39件発生しており、支払保険金額の最高額は、ハワイでの事故(疾病)で、約3,842万円となった。
この事例は、旅先に向かう往路機内で意識がもうろうとし、到着後救急車で搬送。肺炎・脳梗塞と診断され37日間入院。家族が駆け付け、医師・看護婦が付き添いチャーター機で医療搬送されたというもの。過去の同社の支払い事例のなかでも、最高額となっている。
クレジットカードに付帯した海外旅行保険は、手続きも簡単であり、それで済ませようとする人も多いだろう。ただ、国内と海外では、医療を受ける場合のコストが明らかに異なっていることは、充分には認識されておらず、前述の補償額だけではまかなえない恐れもあるようだ。数十万人の渡航者数に比べて、高額の医療費が請求される確率をどう見るか。3月に発生した地震は、多額の研究費による専門家の予知では、発生率0%の地域であったことも考え合わせると、災厄がいつ自分の身に降りかかるか、予測できないために利用される「保険」の選択には、よりいっそう慎重な判断が求められよう。
ジェイアイ傷害火災保険株式会社リリース