マカフィー株式会社は、2011年8月29日、2011年第2四半期の脅威レポートを発表した。
同レポートによると、2011年第2四半期に確認されたモバイルマルウェアは、「Android(63%)」、「JavaME(20%)」、「Symbian(7%)」、「BlackBerry(6%)」との順になった。現時点では、マルウェアの総数は、「JavaME」と「Symbian」が上回っているが、2011年第1四半期と比較して、76%増と急増している「Android」が、今後のターゲットの中心として考えられそうだ。
ちなみに、マルウェアとは、コンピュータウイルス、ワーム、スパイウェアなどの「悪意のある、不正な」ソフトウェアのこと。感染経路としては、PC同様、アプリケーションの改ざんが最も一般的で、正規のアプリケーションやゲームを破壊し、ユーザー自身にダウンロードさせ、スマートフォンにインストールさせようとする。
また、ユーザー数の増加や、ビジネスでの利用度が高まるにつれて、「Mac OS」がターゲットになるケースが増えている。同レポートでは、Appleプラットフォーム用の偽ウイルス対策の出現が、現実のものとなったことで、「iPhone」や「iPad」を標的とした同様のマルウェアが出現するのも、“時間の問題”と述べられている。
さらに、「Microsoft」製品よりも、「Adobe」製品の脆弱性を悪用するエクスプロイトの数が多くなっている。理由としては、「Adobe」のほうが脆弱なわけでも、バグが多いというわけではなく、アプリケーションで「Adobe」製品が多く使用されているため、攻撃を受けやすくなっているためとのこと。
ちなみに、エクスプロイト(exploit)とは、ソフトウェアやハードウェアの脆弱性を利用した悪意ある行為のために書かれた、スクリプトまたはプログラムを指す言葉のこと。マルウェアの作成者やサイバー犯罪者は、人気があり、ユーザー数の多い製品を標的にする傾向が高いといわれている。
参加する段階で高いハードルを設けるか、オープンにしたうえで網を張るか。インターネットとつながる瞬間に、攻撃者と防御者双方が繰り広げる知的な戦いは、製品の人気に比例して激化するという皮肉。
McAfee,Inc.リリース