
かつて、若者のリッチアンドサクセスステータスの1つは「クルマ」であった。昨今、スマートフォンやタブレットの登場で、若者たちの関心は「クルマ」から離れたという説がある。しかし、ソニー損害保険株式会社が発表した「新成人のカーライフ意識調査2012」は、その説に疑問を投げかける結果となった。
「新成人のカーライフ意識調査2012」
この調査は、新成人1,000名を対象に行ったもの。 まず、自動車運転免許の保有状況を質問すると、「自動車運転免許を持っている」と答えた新成人は56.7%で、前回の2011年の調査時より4.9%も上昇した。男女別で見ると、男性62.2%、女性51.1%となり、男性は前回より7.4%高くなっている。
また、運転免許保有者に、車の有無を聞いたところ、「自分の車がある」23.1%、「自分の車も家族と共用の車もある」3.4%と合わせて26.5%が車を所有していることが判明した。一方、自分の車を持っていない運転免許保有者のうち、80.1%が「自分の車を所有したいと思う」と答えた。
この結果から見ても、若者たちの「クルマ」志向が決して低くないことが分かるが、「車に興味がある人」は男性で64.2%、女性で48.2%となっており、男性は前回に比べ7.0%も高くなっている。「同年代で車を所有している人はカッコイイと思う」人は54.2%だが、都市部の男性については、59.2%と前回の45.6%より13.6%高い。
このように、若者たちの「クルマ」への興味が復活している様が見られる。ただ、経済面での問題は大きいようで、もっと安価な若者向けの車があれば、積極的に所有したい意向があるようだ。
ところで、「クルマ」のイメージを一文字の漢字で表すという問いには、「楽」という答が圧倒的だった。「クルマ」は、彼らにとってステータスというより、移動を楽にし、友達や家族と一緒に楽しくドライブできる、絆を強める手段と言えるのではないだろうか。新成人の「クルマ」志向の復活には、大震災以降の人とのつながりの見直しが反映しているのかもしれない。
ソニー損害保険株式会社