献血離れの一方で国産製剤を望む声多数
近年
「若者の献血離れ」が叫ばれる中、実際に献血に対しての考えはどうであるかの意識調査が総合医療メディア会社の株式会社QLife(キューライフ)によって行われた。有効回答数は7803人におよび、今回調査の設計・分析を担当した虎の門病院輸血部長の牧野茂義先生は「
献血と血液製剤の使用について、これだけ大規模な調査は珍しい」とコメントした。
導入にあるように、「若者の献血離れ」は調査結果にも反映された。20代で献血経験のある人は30代の人に比べて20ポイント近い差が現れた。これは20代にはじめて献血をする人が多いことと、
以前の同世代の献血率に比べて大きく下落していることをあらわしている。
また、この献血で集められた血液は
「国産の輸血用製剤」の唯一の原料として利用されるわけだが、そのことをはっきりと理解している(知っている)と答えたのはわずか10%のみだった。
「輸入の血液製剤は使いたくない」と答えた人が多いことを考えると、なんとなく知っていると答えた47%の人は「当然国産なのだろう」、「国産であってほしい」という考えがあるのだろうと推測される。
だが、この国産輸血用製剤を用意するには、国内で献血された血液がなくてはならない。牧野先生は「
献血由来の輸血用血液製剤なしでは今日の医療は成り立たない。国産の血液製剤を望む声が強いが、それならば、ぜひ積極的に献血に参加をして欲しい」とコメントした。自身の安全のためにも、献血へ積極的に参加したいものである。
自身や家族がいつ頼るかもしれない「輸血」、その原料は「献血」のみ