避難所の食事栄養、改善へ
東日本大震災直後、「冷たい食べ物しかない」「1人分の食料を家族で分け合っている」など、大変な状況が伝えられていた避難所の食生活。被災者の健康が心配されたが、3ヵ月たった今、ようやく栄養状況が大幅に改善されたとの調査結果が発表された。
ビタミンCは不足ぎみ
宮城県の発表によると、97.5%の避難所で1日3食の食事が提供されるようになり、厚生労働省の1日のエネルギー摂取目標2000キロカロリーに対し、避難所のエネルギー提供量は平均1842キロカロリーと92.1%を達成したという。
この結果は保健所の職員や栄養士が巡回して栄養指導をしたり、各市町で炊き出しの体制を整備するなどの対応をした成果と見られているが、たんぱく質やビタミンBなど栄養素別の平均提供量で見ると、やっと目標値の8割を超えた程度。ビタミンCに至っては目標の48.4%といまだ不足ぎみの状況が続いているという。
季節はこれから夏。電力不足もあり、暑い暑い夏になることが予想される。さらに汚泥や廃棄物の処理が進まないことが原因で衛生状態が悪化することが懸念されている今、被災者の体力維持は重要な課題となるはずだ。せめて食事の面だけでもさらなる改善が進むことを願いたい。
宮城県ホームページ