
民間調査機関の財団法人 労務行政研究所は、今年4月入社者の決定初任給を調査し、4月6日までにデータの得られた東証第1部上場企業238社についての速報集計をまとめた。
ほとんどの企業が初任給を据え置き
初任給の据え置き率は2002年度から4年連続で9割を超えていたが、2006年度以降は企業の採用意欲の高まりを反映し、低下傾向にあった。しかし、100年に1度ともいわれた世界的不況に陥った2009年度は一転して92.7%と再び9割を超えた。その後、景気は回復傾向にあるものの、デフレへの懸念や厳しい雇用環境など、先行き不透明な状況が依然として続いている。
このような状況の中、今回の速報集計では、96.6%とほとんどの企業が初任給を前年度と同額に据え置く結果となった。2009年度に比べ、さらに約4ポイント上回っているのである。
これは学歴別にみても、いずれも「据え置き」が96~97%を占める。平均上昇額は、大学卒で70円、高校卒で72円など、100円に満たない水準であった。
なんとも、景気回復はまだ遠いと思わせる結果である。仕分けもいいが、何か大きく打開できるような策を、国として講じて欲しいものだ。
労務行政研究所リリース