脂質の酸化を抑制する効果
調味料製造・販売会社である焼津水産化学工業株式会社は2010年8月26日、カツオだしに
コレステロールの酸化を抑制する効果があることを発表した。今後は人体におけるコレステロール酸化に対してカツオだしやその成分が影響するかを調べる予定だという。
コレステロールはヒトの細胞を構成する上で重要となる脂質であるが、これが酸化すると血管に悪影響を及ぼし、動脈硬化を引き起こす原因となる。焼津水産化学工業はこれまでにカツオだしにEPA(エイコサペンタエン酸)などの、脂質の酸化を抑制する効果があることを確認している。
今回の実験ではカツオ節の厚削りから抽出したカツオだしを鶏肉に添加して作った鶏つくねを冷凍保管し、2週間後のコレステロール酸化物の生成量を調査した。
その結果、カツオだしを添加した鶏つくねに含まれる油脂1gに対するコレステロール酸化物の量は30.9μgで、添加していないものの49.2μgと比べ
37%減少し、カツオだしにコレステロールの酸化を抑制するはたらきがあることが確認された。
和食と切っても切れない“だし”。この実験によって、和食が健康によいということがまたひとつ実証されたことになる。健康に気をつかう人が増えている昨今、和食への注目がさらに集まることとなるだろう。
焼津水産化学工業株式会社