東京商工リサーチの企業相関データベースを用いて、それぞれの仕入先・販売先を一次取引先(直接取引先)と二次取引先(取引先の取引先)を抽出。企業数や地域別分布、および両社に重複する取引先をピックアップし、影響の及ぶ規模を調べた。
企業相関DBとは、東京商工リサーチが提供する企業データベース(「tsr-van2」提供社数247万6,829社、2011年1月21日現在)の付加サービスとして行う情報メニューのこと。
調査結果によると、新日本製鐵の一次販売先は、大都市圏の関東が151社(同44.8%)で圧倒的。以下は、近畿58社(同17.2%)、九州44社(同13.0%)、中部40社(11.9%)の順。住友金属工業の一次販売先のトップは、関東の108社(41.5%)。次いで、近畿が79社(30.4%)、中部38社(14.6%)の順となっている。
新日本製鐵の一次仕入先は2,120社。「関東759社(構成比35.8%)」、「九州505社(同23.8%)」、「近畿407社(同19.2%)」、「中部187社(同8.8%)」との結果となった。住友金属工業の一次仕入先は916社。「近畿477社(同52.1%)」、「関東306社(同33.4%)」。
一次仕入先での両社の重複は、170社。新日本製鐵は一次仕入先数の8.0%に過ぎないが、住友金属工業は18.5%と約5社に1社に当たる。また、重複企業の地区別分布では、「関東78社(同45.9%)」、「近畿52社(同30.6%)」、「九州24社(同14.1%)」の順だった。
二次仕入先の重複1,379社は、新日本製鐵は22.1%にとどまる。一方、住友金属工業では46.8%に達し、2次仕入先の半数弱が新日本製鐵関連との取引があることがわかった。
世界を舞台に争うべき大企業は、実際を伴っているのだろうか。市場重視のマネーゲームに翻弄されるのは、ほかならぬ中小の製造業なのだが。
株式会社東京商工リサーチリリース