JTBグループのツーリズム・マーケティング研究所は、東日本大震災が消費者の日常生活やマインドに与えた影響と、消費や旅行への意欲・志向についての調査を実施し、その結果を公表した。
調査方法は、インターネットリサーチで、調査実施期間は、2011年7月1日から7月5日まで。調査対象は、首都圏(東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県)、中京圏(愛知県、三重県、岐阜県)、関西圏(京都府、大阪府、兵庫県、奈良県)に、それぞれ居住する、20歳以上69歳までの男女500名となった。
調査結果によると、「震災・津波・原発事故が、日常生活に何らかの影響を及ぼしたか」の問いには、「はい(25.8%)」、「いいえ(44.0%)」、「直後に変化はあったが、現在は戻った(30.2%)」との結果となった。
「はい」と回答した人に、「どのような変化であったか」と問うと、「家庭や職場での節電を心掛けた(80.6%)」、「外食や飲みに行くことが減った(26.4%)」、「趣味・娯楽のための外出が減った(20.9%)」、「テレビを見る時間が増えた(20.2%)」などとなっている。
また、同じ人に、「はやく元通りの日常生活・気持ちに戻りたい」点については、全体で、「あてはまる(13.6%)」、「ややあてはまる(30.0%)」、「どちらでもない(38.4%)」、「あまりあてはまらない(11.0%)」、「あてはまらない(7.0%)」との回答結果となった。
同じ設問での三回目となる今回の調査結果には、明らかな「復旧」の傾向は見られなかった。復興の進捗がままならない点や、原発事故が収束と真逆のベクトルを表面化している現実は、影響を受けた人の気持ちを憂うつなものとしているようだ。
首都圏を被災地とみるかどうかは、意見の分かれるところであるが、震災発生から4カ月を浪費した今後は、日本人が、災害を肌身にしみて感じられるかの問題となる。被災者に「寄り添う」べき人もいる一方、被災者が動ける環境を「整える」べき人もいる。目指す未来は同じでも、考えなくてはいけない取り組みは、違っていてもよいのではないだろうか。
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